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「人のセックスを笑うな」山崎ナオコーラ 河出文庫

人のセックスを笑うな (河出文庫)

人のセックスを笑うな (河出文庫)

朝日新聞の土曜版に、この作者のエッセイが連載されていた(2/24まで)。毎回あまりにも他愛なく、得るものもなく、時には意味不明で、なぜ掲載されているのかわからないのが逆に気になり、というかエッセイとはそもそもそういうものではないかとさえ思うようになり、つい毎週欠かさず読んでいた。
ので、小説も読んでみることにした。
タイトルはすでに散々言われてると思うけど、秀逸。ペンネームのセンスも、個人的には好き。
で、内容。読みやすい。わかりやすい。1時間もかからず読めた。なんでもない2人のなんでもなさと控えめながら主張のある性格がすーっと入ってきて、なんだか悪くないなぁと思った。
しかし例えば冒頭1行目。どういう情景なのかまったくわからない。他にもわかるようなわからないような表現がある。まぁそれは瑣末なことか。
あと69ページ(文庫版)には笑った。「触っているから気持ち良いのではなく、触っていると考えるから気持ち良いのだ」って、大事MANブラザーズバンドかよ!
そんな絶賛されるほど作品には思えないけど、全体に無駄がなく、ちゃんと考えて書かれている感がある。
併録作は、主人公がXXである必然性がいまひとつつかめず。


で、読了後、エッセイの連載が終わってしまった事がちょっと寂しいことに、気づいた。