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「本日は晴天なり」サニーデイ・サービス

本日は晴天なり

本日は晴天なり

ROSE RECORDSのオンラインで購入。一般発売日より早く手に入れることができた。
正直、そんなに期待していたわけではなかった。でも聴いて、あまりにもよくて、ふたたび聴いて、それでもよくて、また聴くの繰り返し。

忘れもしない2000年の解散劇。決していい形とはいえない解散の仕方だった。バンドは決裂状態だったらしい。でも今ほど情報が氾濫していない時代。解散の話は唐突に聞こえた。
気持ちの整理がつかないまま、ラストライブの1日前のリキッドルーム(当時は歌舞伎町)でのライブに行った。
前の方で、何も言えない、何も聞けないような独特の雰囲気の中、観ていた。演奏は淡々と続き、でもどことなく熱いライブで、とても解散が目の前のバンドとは思えない演奏だった。
「晴茂くんがGLAYに入りたいっていうから」なんて、曽我部は、とぼけていた。


あれから10年、サニーデイは、何事もなかったかのように、普通に続いていたかのように、このアルバムがリリースされた。ジャケットのシールには、8th albumなんて、書いてある。

「"One is the Lonliest Number" そんな古い歌の文句 くちずさんではちょっと笑う午後なんです」(「Somewhere in My Heart」)
「あぁ愛はいつでも 小さくて 見つけにくくて だから今日は手をつないで歩こう」(「南口の恋」)
「五月雨が通り過ぎて きみの匂いを消してゆく いつかはぼくらぜんぶ 忘れてしまうのだろう」(「五月雨が通り過ぎて」)
さらりと描かれた日常風景の一つ一つが、極上の青春小説を味わうかのように迫ってくる。メロディーも、決して明るいわけではない。かといって暗くなりすぎもしない。サニーデイ・サービスにしか出せない世界が、全10曲、広がっている。


素晴らしいアルバムなんだけど、10年間、こっちだって、何もなかったわけじゃない。彼らだっていろいろあっただろう。なのにこんなの作っちゃって、時間を止めることなんて、できないのに。ずるいよ。と言いたくなってしまう。
なんだかいろんな思いがこみあげてきて、ちょっと切なくなった。