- 作者: 樋口毅宏
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2013/07/13
- メディア: 新書
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まぁタモリ好きが書いた同人誌、くらいだったら許せるけど、これを「論」として、大手出版社が出しては、ダメでしょう。
著者は自分の小説の中でタモリがオザケンの歌詞を絶賛したエピソードをとりあげたようだが、音楽好きなのにMステでは滅多にミュージシャンを褒めることがないタモリが、稀に褒めることがある。
その滅多にない瞬間を楽しみの一つにMステを観ているわけだが、かなり昔、たまが出演したとき、たまのなかでも最も話題になっていなかった滝本晃司さんの「海にうつる月」を評して「たまの歌は、情景がうかんでくるんだよねぇ」といったようなことを語っていたのを覚えている。
また、椎名林檎が「本能」を歌った後も「いいねぇ」と言っていた(これは単に、ナース服をいいと言っただけなのかもしれないけど)。
それからPerfumeにも全般的に好意的。
で、つい昨日の放送で、サザンの曲を、「あの曲、いいよねー」と言っていた。あ、タモリさんサザンも評価していたんだ、と少し驚いた。
また言うまでもないことだけど、タモリを語る上で、彼の残した傑作アルバム群に触れないのも考えられない。「タモリ倶楽部」、「ブラタモリ」さらには過去放映されていた「ボキャブラ天国」や、「ジャングルTV」などについても言及されていない。とてもタモリを語るレベルにはない。
序盤でお笑いを語ることに対して自分をエクスキューズしていたのも、気になった。
プロがお金をもらって文章を書くときに、逃げ道を用意してはいけない。