KAAT神奈川芸術劇場って、初めて。どこにあるんだろうと調べたら、NHK神奈川放送局のあるビルだった。みなとみらい線元町・中華街駅を出たら、中華街の入り口。土曜日ということもあり、ものすごい人出だった。
新しく、とてもきれいなホール。広い。そんな中、チケット運が良く、大人計画先行、最前列中央で観ることになる。まさか最前列で大人気ミュージカルを観られるなんてね。
眼福。
さて、半分長澤まさみ目当て、半分松尾スズキが名作ミュージカルをどう料理するのか目当てで行ったわけだが、享楽に溺れるナチス台頭前夜のベルリンを舞台に展開される舞台と音楽に、時間を忘れて引き込まれる。第一幕終了直前、突如暗雲立ちこめる展開に、ぞわぞわする。
で、終演まで約3時間。まぁとにかくいろいろ思ったのだけど、この作品は、ナショナリズム、ポピュリズムが台頭する今こそ演じられるべき、鋭い批評性を持った傑作であること。
ちょっとネタバレになるけど、ドイツについて「美しい国でした」とある人物が言う一言(これは松尾スズキオリジナルだと思う)が全てを物語っていると思った。
で、役者陣。長澤まさみの美しさは際立っている。
秋山菜津子も舞台女優としての底力を見せつけてくれた。
小池徹平は熱演。歌手でもあるんだからもうちょっと歌わせてあげても良かった気もするけど。
で、一番びっくりしたのが石丸幹二。さすが百戦錬磨の舞台俳優。歌も圧倒的に上手いし、存在感も際立っていた。
とにかくいい舞台だった。興奮して帰る。