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シアターコクーン・オンレパートリー+大人計画2012「ふくすけ」作・演出:松尾スズキ 出演:古田新太、阿部サダヲ、多部未華子、皆川猿時、小松和重、江本純子、宍戸美和公、村杉蝉之介、平岩紙、少路勇介、オクイシュージ、松尾スズキ、大竹しのぶ  :青山祥子、赤池忠訓、井内ミワク、井澤崇行、井上尚、井本洋平、延増静美、菅井菜穂、鈴真紀史、竹口龍茶、中尾ちひろ、羽鳥名美子、町田水城、矢本悠馬、植浦菜保子@Bunkamuraシアターコクーン


シアターコクーンは初めて。いつも円山町方面のライブハウス行くときは通り過ぎているんですけどね。
チケット確保がなかなか大変で、大人計画先行で辛うじて取れた。しかし席は後ろから2番目。段差がほどよく、観づらいということはなかったです。でもオペラグラスがあった方が良かったかなぁ、と珍しく思った。
立ち見も大量に出る大盛況。
とてつもなく豪華なキャストによる松尾スズキ初期作品の再再演。初演は1991年。
最初の裁判所のシーンから放送禁止用語炸裂。大竹しのぶが奇声を上げて最初からクレージーっぷりを発揮してのけぞる。
で、時間軸は交差し複雑に絡み合い、ふくすけという奇形児を巡る物語が展開していく。平岩紙が結構重要な役を演じていて大熱演。役者として一皮むけたのではないでしょうか。
多部未華子がホテトル嬢という難しい役ながら、とても爽やかで存在感を見せる。
役者が豪華すぎて、古田新太という異才を必要以上に目立たせない演出も素晴らしい。
あらゆるブラックとタブーをユーモアに包み込んで、物語は人によっては嫌悪感を覚えるであろう結末へと向かっていく。あらゆるものがあらゆる方向で崩壊する。
衝撃。
休憩時間を含めると2時間45分。
これが一人の頭の中で渦巻いて、一つの作品として昇華されていったのか。恐るべし。松尾スズキという天才の圧倒的な狂気を感じた。
大傑作だと思います。