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「The Name」出演:今田耕司 立川談春 大窪人衛(イキウメ) 作・演出:鈴木おさむ@下北沢本多劇場


今田耕司立川談春という、テレビと落語、活躍するフィールドすら違え、お笑いの世界を牽引する2名による競演。しかも意外なことに2人とも同い年。期待しないわけにはいかない、と、早々にチケットをとって行ってきた。正直チケットが取れるとは思わなかったけど、意外と大丈夫だったみたい。
今田耕司鈴木おさむはこれまでにも舞台で組んできたことがあるらしい。寡聞にして知らなかった。しかし談春という異分子をどう活かすのか。興味はそこに尽きた。
のっけから、ものものしいシーンから始まり、爆破装置を持った談春が、束縛された子供の前でとまどうテレビプロデューサー役の今田耕司に名刺を差し出す。そして5人が出てきて、名刺の持ち主をあてろ、という命令を出す。
え、いったいどういう設定?どうなっちゃうの?
と、思っていたのは序盤までで、途中挟まれる、いかにもテレビ的な浅いトリビアの繰り返しには失笑するしかなかったし、最後の方も段々読めてきて、うーん、こういう展開か、と、予定調和的で深みを感じなかった。
何より不満だったのが、談春の使い方。これ、談春じゃなくてもできるよね、と思うと、非常にもったいないと感じた。
せっかくの2人なのに、笑いの要素が少なかったのも不満。
唯一良かったのは、今田の発声の良さとテンポ感。これはさすが、テレビで鍛えられてきただけのことはある。
しかし立川談春を使って、このクオリティの芝居。脚本も演出ももっとしっかり作ってほしい。
急ごしらえで作った感は否めない。非常に残念に感じた。
パンフレットも、ネタバレがあるので終演後にお読みください、ともったいぶっていたけど、読んでみたら別に何の解説もなく、鶴瓶師匠がちょっと興味深い話をしているのが面白いだけ。なんなんだよ。
約90分の芝居。短いのが救いか。でもそれを救いにしていてはいけない。
ネットで観たら、結構評判がいいみたい。でも自分にとっては消化不良気味、珍しくいろいろ不満の残る作品でした。