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「さよなら渓谷」初日舞台挨拶@有楽町スバル座


監督: 大森立嗣 - 出演者: 真木よう子大西信満鈴木杏大森南朋鶴田真由 他
日舞台挨拶付きに行ってきた。上映前の舞台挨拶。
登壇は大森立嗣監督と、真木よう子大西信満鈴木杏鶴田真由。上映前なので詳しくは言えない、とばかりでちょっともどかしかったが、大森立嗣監督がどんどん弟に似てきているのが少し可笑しかった。
約30分の舞台挨拶の後、本編。
結論から言ってしまうと、大傑作。
あまり映画を観ていないけど、今年を代表する一作になるんではないかと思う。
とにかく真木よう子大西信満から立ち上る切実な色気がすざましい。特に真木よう子。彼女でなければこの映画は成立しなかっただろう。
大西信満は、「赤目四十八瀧心中未遂」の頃の朴訥な印象を残したまま、存在感のある役者になった。いまもっとも注目されるべき俳優。
大西信満の犯した罪は、この作品のように赦される罪ではない。しかし社会的に何故か赦されてしまっているのが現実。個人的には事情を問わずに終身刑か死刑にすべき犯罪だと思う。
だからこの作品の内容に完全に共感できたわけではない。
ただ、それぞれの役者の説得力のある演技や、セリフ一つ一つの重み(あるいは軽さ)に、ひたすら震えた。
それから、あちこちで「愛」という言葉や感想をみかけたが、この作品には「愛」なんてない。
包み込むのはただ果てしない絶望だ。だから狂おしい。
絶望のみを抱えてしか生きていけない人生もある。なら何故生きるのか。それは分からない。分からないから生きているのだと思う。
まぁ確かに、人によって見方と感想は違ってくるだろうな。あくまで男目線での作品のように感じた。それがちょっと残念ではある。
できれば大きな賞をとって、多くの人に注目されて欲しい。