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立川談春 独演会2016 全国ツアー 八王子公演@いちょうホール八王子


この間かまくら芸術館で観たばかりの談春師。ふと予定を調べてみたら、何故かかなりいい席がとれそうだったので、行くことにする。同じ「らくだ」を2回聴くのでもいいぜ、くらいの気分で。
かまくらでは後ろの方の席だったので、全体を楽しむ、というより、声を感じる、という雰囲気だったのだけど、今回は談春師の顔も程よく見える、ちょうどいい席。
よりによってこの日は雪。
11月の雪は、東京では50年以上ぶり、というわけで、なんとか中止にならないかと思っていた、と本音をのぞかせつつ、最近50になって、談志じゃなくて乱視、きん枝じゃなくて遠視、と笑わせる。本当の江戸っ子は八王子の方に流れてくるらしい、と言いながら、1席目は、上方の噺、桂米朝で有名な、「除夜の雪」。これが聴かせるのなんの。サゲまでの流れがあまりにも見事で、ぞっとして、唸る。
仲入り後、「夢金」。これ、噺としては知っていたけど、ちゃんと生の席で聴くのは初めて(だと思う)。こちらも雪にちなんだ噺。上品に落としてくれて、とてもいい。
さて、雪の中来てくれたお客さんに、サービスとして笑える噺を1席、と、最後に、「替り目」。おまけと言いつつ、けっこうがっつり演ってくれる。こちらはすっと世界の中に入らせてくれて、素直に楽しい。そして談春師の表情豊かな噺っぷりに、すっかり引き込まれる。
気づいたら2時間半近く経っていた(仲入り含む)。
談春師、どんな古典でも自分のものにしてしまう。やっぱりすごい。「除夜の雪」は、今日の雪景色と重なり、白眉と言えた。
珍しくアンケートにもしっかり答えて、満足して横浜線に乗って帰る。