The workers are goin’ home

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金曜日

午後休みにして、医者に行き、そのあと、「わたしは、ダニエル・ブレイク」のリバイバル上映を武蔵野館で。
個人的に最も敬愛する映画監督、ケン・ローチの、最高の作品。
何度観たか分からない。そして何度観ても激しく心が揺さぶられる。

この作品に出てくる人に、根っからの悪人はいない。ただ皆、己の職務や、立ち位置に、忠実に誠実に生きている。
しかし、社会はうまくはまわってはくれない。

それは「人」のせいではなく、社会の「システム」がおかしくなっているいるから。
そしてその「システム」を作ったのも、「人」である。
では、どういう「人」が「システム」を作ったのか。
それは、一部の「力」を持った人。
つまり一部の「力」が、己の利益のために、多くの人を「システム」からこぼれおちさせる。

では「力」のない大多数である我々はどうするべきか。「力」に抗うこと、対峙すること、あきらめないこと。
それだけのこと。
それだけのことをするために、勇気がいる時代。

観るたびに新しい気持ちになる。「時には追い風も必要だろう?」。ダニエルの言葉が強く響いた。

美しく牧歌的なイングランドの風景。研ぎ澄まされた言葉と演出。
全てが気高い。