The workers are goin’ home

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「魔王」伊坂幸太郎 講談社

ずいぶん前に読んだのだけど。
本当に最近世の中、同じ方向に流されてきている。テレビのニュースもバラエティー番組も、局の個性なんてまったくなく、同じような番組を垂れ流し続け、みんな主体的に考えることなく、眺めている。気づいたら、政府税調がどれだけひどい増税をたくらんでいるか知ることもなく、小泉に投票しておけば、すべてが「改革」されると思っている。本当に傷ついている、不快に思っている人もいるのに、それは他国の教育が歪んでいるからだと開き直り、靖国に参拝するのは当然で、干渉される筋合いはないと思っている。杉村とやらは、なんだか憎めない奴だなぁと思っている。みんな気付かないうちに思わされているのにね。
日常から感じている、ちょっとした違和感や不安感をうまく切り取った、吹っ切れた感のある快作。緊張感がたまらない。