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「空白の殺意」中町信 創元推理文庫

これまた素晴らしい。創元推理文庫既刊分の中町作品ほどの驚きはないけど、緻密に端正に作られていて、人間の思い込みの隙をついたネタも、お見事。ちょっぴり時代を感じる内容(たった25年前ですが)ではあるけれど、高校野球をめぐる不祥事や、女子高生の振る舞いなど、現代に通じるものもあるな。解説にもあるけど、ラストまで読んでから、プロローグを読み返すと、改めて感動できる。
あとがきも、相変わらず味があって、いいなぁ。
折原一の解説は、褒めてるんだかなんだかわからない(きっと褒めている)内容。歪んだ愛情がうかがえて、笑える。