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「ボトルネック」米澤穂信 新潮社

ボトルネック

ボトルネック

現時点でこの著者のもっとも新しい作品。完成度高い。
パラレルな世界に迷い込むことで自分の存在意義と、何もしないでいることの意味について思い至る主人公。最後の展開とラスト1行は、高校生に突きつける現実としては酷かもしれない。けどそれは、自虐的になりがちな若者に、リアルに誠実に寄り添っているようにすら思えてしまう。うーん、うまく褒められませんけど、好きです。
まだ4作しか読んでいないけど、気付く限りこの作者では初めて「恋」なんてフレーズが出てきたのも、ちょっと興味深い。

今どきの高校生が読んだら、どんな感想を抱くのだろう。