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「ポップ1280」ジム・トンプスン 扶桑社

ポップ1280

ポップ1280

文庫ではなく、2000年に出たソフトカバー版で、読む。当時買ったレシートが出てくる。7年以上も積ん読にしていたわけか。
一人称なのに、主人公が何を考えているのかわからない。それが恐ろしい。しかも残酷な行為を読者を放りっぱなしに次々と飄々と実行していく。それがことごとくうまくいく。どうしようもない最低な人間なのに、何故か嫌いになれない。なんとも不思議な小説。
1910年代のアメリカということで、差別用語に溢れているし、下品な描写も多いので読む人を選ぶ。