- 作者: 柳広司
- 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
- 発売日: 2008/08/29
- メディア: 単行本
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文章に無駄がなく緊張感に溢れる。改行をなくして密度を増やすのではなく、行間から濃密さをかもしだしている。
「異端」であるはずのスパイ組織の方が、「本流」の軍隊よりも柔軟で間違いのない行動規範と精神を持って活動していたという皮肉が、なんだか現代にも通じるようで、ちょっと怖くもなる。
「D機関」を束ねる結城中佐そのものについては、超人的でミステリアスである以上には伝わってこない。何故彼ほどの傑物が日本にとどまり続けるのか、ちょっとした疑問として残る。いつか別作品として彼の過去を読んでみたいです。