The workers are goin’ home

SEのブログです

「再婚生活 私のうつ闘病日記」角川文庫

山本文緒は、小説を何冊か読んだことある。「ブルーもしくはブルー」なんて、傑作だったよなぁ。
まさかうつ病に苦しんでいたなんて、知らなかった。
電車の中で、じっくり長いことかけて、読んだ。昨日読了。
最初の方では酒飲んだりタバコ吸ったり、それは病人的にまずいだろうということをやっているのだけど、2年以上もの連載中断の後、かなり健全な生活になっている。「今では『すっかり治りました』と言い切れるほど回復した」、とある。
言い切れるなんて、すごい。強い。自分にそんな時が訪れるのだろうか。
病気のつらさを、なんとか明るく、エンターテイメント性すら感じさせる描き方で描いているのが、偉いな、すごいな、と思った。どんなにひどい時でも、自分を客観視できる、作家ならではのサービスを忘れていない。
個人的には、文庫書き下ろしの、連載中断時のエピソードが、身につまされて、「生きるか死ぬか会議」なんて、自分も似たようなことを1年ほど前やっていたなぁ、と、ちょっと泣きそうになった。
睡眠の不安定っぷりなど、自分も全く同じ症状があったり、まったく重ならない部分もあり、うつ病ってもっと広義的にとらえていかないといけないな、と思う。
判断力の低下による(?)散財(作者と自分は規模が違いすぎるけど)も、症状のひとつかも。