The workers are goin’ home

SEのブログです

「キャタピラー」@テアトル新宿


水曜日1000円。ぼんやりしていたら今週で終わりだった。あぶない。
これは、とんでもない作品。
戦争で四肢を失った「軍神」が村(?)に帰ってきた。妻は「いや〜〜っ!!」と、感情に正直に叫んで、田んぼに飛び込む。なんともストレートな表現。
食欲と性欲のみ残された芋虫のような「軍神」の「妻」として貞淑に尽くしているようにみせて、実際は徐々に彼を責め立てていく寺島しのぶのサディスティックな笑い。そして嗜虐の末にみせる母性。恐ろしい。そりゃ最優秀女優賞とるわ。
そして「軍神」は、自分が戦争で犯してきたことがフラッシュバックして、ついにおかしくなってしまう。大西信満赤目四十八滝心中未遂。懐かしい)の演技も、気迫がこもっていて、いい。


これは単なる反戦映画ではないと思う。でも、戦争なんて、本当に下らない、正しい戦争なんて、この世にない、と、痛感させられる作品だった。


正義なんて語る前に、自分が芋虫になってみろ。


エンディングで流れる元ちとせの「死んだ女の子」(こんな曲があったなんて、知らなかった)も、涙が出るくらい素晴らしかった。