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「死神の精度」伊坂幸太郎 文藝春秋

昨日読了。
見た目、妙に薄く感じたが、270ページ以上あった。いい紙使っているのだろうか。
文章に一層磨きがかかってきた気がする。これ余計だな、ってフレーズがない。なのに味わいは失っていない。設定も秀逸。表題作のような偶然性は、あまり好きではないのだけど、まぁ、気持ちいい話だから、いいか、という気にさせられてしまった。
各篇とも、構成上のひねりは薄めだな、と油断して読んでいたら、ラストの「老人対死神」。強く心震えたのでした。やられたよ。
帯に「推理作家協会賞受賞作!」と書いていないあたり、売る側の自信の表れか。まぁ書かないでも売れるだろうし、この作品が推理作家協会賞ってのもちょっとぴんとこないし。
それにしても「ミュージック」ってのは、いい響きですね。「ミュージックであれば、何でも」というのも、とてもいい。
版元も版元だし、来年1月の直木賞、いったかな。