- 作者: 太田光,中沢新一
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2006/08/12
- メディア: 新書
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そもそも憲法なんてどの国でも恣意的に解釈されており、現行憲法で60年うまくやってきたのだから、いまさら変える必要性なんて見当たらない。変えたいのは、権力の側からみて不都合があるからにほかならない。権力の側の不都合は、庶民にとってなんらかの利益になること。世間の流れにだまされて、安易に改正に賛成なんてしないほうがいい。失ったものは取り返せない。
タイトルはセンセーショナルだけど、対談の内容はいたって正論ばかり。理想論にもかたよっていないし、バランスが感じられる。もっともほんの数年前までは、これが多数派の意見ではなかったか。
太田光ってのは、まっとうな価値観を持っている人なんだなぁと改めて感心。桜のエピソードも実によい。芸人が政治的な発言をすることは、とても危険だろうけど、あえて一歩踏み込んでいる。覚悟を感じる。
ただ序盤から、前提もなくいきなり田中智学の話が出てきて、ちょっと戸惑う。宮沢賢治との関係も含め、彼について知らない人が大多数(もちろん自分も知らなかった)なのだから、注釈くらいはつけてくれたほうが、本としては親切だと思う。