The workers are goin’ home

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「グラン・トリノ」@シネマイクスピアリ

既に世評も獲得しているけど、これは確かにそうそう観られない傑作。
民族問題と家族の問題に、時折顔をのぞかせる戦争での傷がからみあい、静かで悲しく、そして美しいラストへ繋がって行く。
頑固で偏屈だけど、悪人ではない。ただ不器用なだけ。そんな老人を、クリント・イーストウッド自身が、淡々と、優しく気高く演じている。モン族の人々との交流を通じてちょっとずつ変化していく彼の広い背中は、理不尽な差別、憎み合い、復讐、殺し合いはもうたくさんだと訴えているように感じた。
ほとんど奏でられない音楽がどれも効果的だし、最後の主題歌も切なく響く。
モン族を演じる2人の姉弟の演技も素晴らしい。
暗いだけでなくユーモアもあり、エンターテイメントとしてもちゃんと成立しているのも驚き。

とまぁ月並みな感想しか書けませんが、すごすぎるよイーストウッド。いやほんと、傑作です。