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下町ダニーローズ公演 「演劇らくご『ヴェニスの商人?』〜火焔太鼓の真実〜」立川志らく/モロ師岡/竹本孝之/弥香/春野恵子/橘家文左衛門/立川談四楼/原武昭彦/酒井莉加/松尾マリヲ/七味まゆ味/図師光博/植木祥平/内田龍/ろりこ/奥村香里/佐々木光弘/浜田美希/佐藤治彦/ミッキー・カーチス@池袋シアターグリーン


立川志らくTWITTERで異様な数の自画自賛TWEETを繰り返し、それを見るたびにどんどん自分のハードルがあがっていった公演。とても楽しみにしていた。
会場は池袋のジュンク堂の裏に行ったところ。近くに怪しげな寺とかが並ぶなんとも不思議な劇場。
で、まずは志らくが「火焔太鼓」。志らくの「火焔太鼓」を観るのは初めてだったけど、志らく独特のアドリブが相変わらず無茶苦茶で面白く、30分なんてあっという間。
そして間髪入れず芝居が始まる。
物語は、「火焔太鼓」の後日譚でもあり、「ヴェニスの商人」をベースにしたというもの。さらに「ゴッドファーザー」と「男はつらいよ」へのオマージュも込めたという、なんとも盛り込みまくりな話。
で、その物語のキモががなんと、かなりベタベタなタイムスリップもの。落語で使われていたアドリブが上手い具合に取り込まれ、スムーズに進んでいく。
モロ師岡がいい味を出している。橘家文左衛門はヤクザにしかみえない。着物を着ていてもそうだけど。。。そして、途中から登場する、弥香という女優さんがとても可愛いし、存在感もあった。
展開も、オチも、劇場出身の演出家や脚本家だったら、ベタすぎて、絶対没にするだろうという感じのもの。
で、それが悪かったかというと、全くその逆で、志らくの狂気と情念が、そのベタなストーリーを、とんでもなくスケールの大きな、愛に溢れる物語として、高い次元で成立させてしまっていた。
これは奇蹟。よくこういう物語をまとめ上げたものです。立川志らくという人の果てしない才能に改めて恐れすら抱いた。
ちなみにZAZEN BOYSのとある曲が使われることが事前にTWEETされていましたが、なんと、この曲?という驚きがあった。ZAZEN BOYSファンも必見であります。
全部で休みなし2時間半と、ちょっと長いかな、と思わなくもなかったけど、これが志らくの情熱と情念のたまもの、と思うと、ファンとしてはなんとしても全て受け入れなくては、と思ってしまった。