The workers are goin’ home

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土曜日

家でぼんやりする。

古泉 迦十「火蛾」(講談社文庫) を読了。

ノベルスが出たときすぐに読んで、界隈では評判になっていたけど、個人的にはピンとこなかった記憶。

ということは、23年ぶりに読み返した、ということになる。

馴染みのないイスラム世界や神秘主義などについて、虚実を交え、平易に描きつつ、かつミステリとしての完成度も高い。

まさかメフィスト賞受賞作で、スーフィズムについて明快でわかりやすい記述を読むことになるとは。いろんな意味で、なかなかとち狂った、規格外の小説。

これがピンとこなかったということは、色々と当方が追いついていなかったということなのだろうな。

新作の発表のタイミングなどで、作者の正体も明らかにされるのだろうか。

されなくても、それはそれでいい気もする。