「LEVEL3」Perfume

LEVEL3(初回限定盤)(DVD付)

大傑作。
2007年、「ポリリズム」を発表し、2008年には武道館公演を成功させ、男女を問わず幅広い年齢層からの人気を得、アイドルとロックの垣根をとっぱらった、時代の先駆者Perfume。
ももクロなど、現在大人気のグループも、彼女たちなしには今のポジションはなかったはず。また今もアンダーグラウンドで台頭している楽曲派のアイドルや、打ち込みを多用したDIY精神溢れる作品を発表するミュージシャン達も存在しなかっただろう。
ユニバーサルに移籍してからのシングルラッシュ、ロックインジャパンフェスでの大トリなどのライブ活動を経て、満を持して発表されたアルバム。
ダンス、エレクトロ、テクノ、ポップ、ロック、もうどうでもいい、この作品で、もはやPerfumeというジャンルを確立した。それはもちろん、今までの積み重ねがあってこそ。「GAME」での飛躍、「⊿（トライアングル）」での立ち位置の確立、「JPN」でのポップサイドの振り切れを経てこそのもの。
音楽が好きだ、と、少しでも自認する人は必ず聴いてみて欲しい。今までになかった音楽体験が確実に約束されると思う。
幅広く世界を見ても、これほどのクオリティのアルバムはそうそうないと思う。
また、Perfumeの最高作は「Complete Best」だなんてうそぶく古参の人たちにも、確実に何か訴えかけてくるはず。
Perfumeはちっとも止まっていない。
きゃりーぱみゅぱみゅでもない、CAPSULEでもない、Perfumeだからこそできる音楽。これに彼女たちの鉄壁のダンスが加わったとき、どれだけの化学反応が起きるのだろう。ドーム公演が楽しみでならない。
それにしても1周聴く度のこの充足感はなんだろう。お腹いっぱいになって、ちょっと他の音楽も聴きたくなる。そしてやはりこのアルバムが最高、と戻ってくる。
攻撃性、先鋭性、破壊力、しなやかさをバランス良く備えた、トータルとして聴けるアルバム。これがすでに安定期と言ってもいいくらいの人気を確立しているユニットの音楽だろうか。とても信じられない。
そして聴きながら、早くも次回作への期待が高まってしまう。そうそうすぐにではないだろうけど、Perfumeにはまだ先がある。そう思わせてくれる奇跡に、激しく心動かされずにはいられない。