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「出口のない海」横山秀夫 講談社文庫

出口のない海 (講談社文庫)

出口のない海 (講談社文庫)

戦争なんて本当に無意味。得るものなんて何もない。当然のことなんだけど、やっぱり忘れてきている。309ページ、「お前が胸を張って死ねるのは、他のこと考えないように教え込まれてきたからだ」というセリフが、重く響く。オウムも自爆テロも、笑えない。今の日本では、他人事ではない。「美しい国」って何か、国を愛する気持ちってなんなのか。戦後生まれのおぼっちゃま総理は、国のために爆弾抱えて死ぬのかね。まぁ、総理大臣も官房長官外務大臣も、戦争では死なないから。
しかし、だれがこんな愚かな兵器を考えたんだろう。偶然昨日の朝日新聞に載っていたのだが。やなせたかしの弟も、「回天」で戦死したらしい。
セリフが妙に現代っ子ぽいのは、もとがマガジンノベルスだったからか。さほど違和感はないけど。