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花緑落語2010〜宮部みゆき「我らが隣人の犯罪」(文春文庫刊)より〜出演:柳家花緑@赤坂RED THEATER


赤坂見附で降りるのなんて、何年ぶりだろう。地図を見ながらだったけど、土地勘がなさ過ぎるので、少し迷う。
RED THEATERは、キャパ200人弱の小劇場。ちゃんと段差があって、観やすいし、きれい。ここで花緑は、宮部みゆきの作品を、演劇集団キャラメルボックスの真柴あずきが脚本を書いた落語として、10回上演する。意外とあっさりとチケットがとれた。当日券も販売されていた。
まずは古典落語。着物を着て、花緑登場。なんといっても、花緑は枕が面白い。少し長い気もするけど、これも味。時事問題など交えつつ、笑わせてくれる。そして、その日の気分で何かやる、という古典。吉原通いが好きな若旦那の世話を焼く、番頭の、ちょっとありえない噺。これは、「二階ぞめき」ですね。ある意味クレージーな噺で、面白い。
で、15分の中入りを挟んで、ソファーがステージに置かれ、スーツ姿で現れる。で、「我らが隣人の犯罪」を演じる。この作品、確か文庫で、リアルタイムで読んだ。高校生だった。同短編集に収録されている「サボテンの花」って作品も、秀作だった。北村薫の解説もよかった。など、細部は覚えているものの、肝心の作品の内容は忘れてしまっている。なので、新鮮な気分で、花緑の落語(というより、一人芝居)を楽しむ。
とにかく花緑は人物の描き分けが上手く、7人くらい人が登場するのだけど、全く混乱しない。本当に見事。
噺も宮部みゆきだけあって当然面白く、ぐいっと引き込まれた。
オチは、いくらなんでもオリジナルだよなぁ。笑ってしまった。


花緑は本当に器用な噺家。天才ですね。
ああ、落語って楽しい。いいもの観たなぁ。