初演は1975年4月。
まだ自分も生まれていない頃の初期つかこうへい作品。これをポツドールの三浦大輔が、演出して上演。
最初に発表されたときは北九州などの地方公演の情報しか出てこなくて、東京ではどこでやるのだろう、と思っていたら、藝術劇場だった。
E列。せり出しのようなところが出ていて、かなりいいポジション。
とうの立ったストリッパー嬢のヒモを軸とした物語。
タイトルはセンセーショナルだけど、別に全部脱ぐようなシーンはなく、だらしないからいじらしい、歪んだ、いつになっても変わらない男と女の愛憎の物語。
リリー・フランキーは各方面で才能を発揮すぎて嫉妬してしまうくらいなんだけど、今回も実に自然で上手い。ストリッパー演じる渡辺真起子もクール。
話はそりゃあ悲劇的な結末しかありえないんだけど、ヒモの娘を演じる門脇麦(この役者さん、若いんだけどとてもいい。売れるんじゃないかな)の存在がほのかな未来を予見させる。
40年近く前に書かれたとは思えない、普遍性を持った物語。これを三浦大輔が現代的な味付けをほどこしたという印象。
どこまで演出の力が関わっていたのか、非常に気になる。
休憩を含めて2時間40分。でもまったく長さが気にならなかった。
いい舞台だった。