The workers are goin’ home

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火曜日

某プレイガイドの抽選にどういうわけか当選。ムビチケをもらって、109シネマズグランベリーパークで「春に散る」。

原作およびタイトルから、主人公の散り様を見届ける作品であろうことはもちろんわかっていたが、その佐藤浩市が心臓病って。。。天下の名優につい自分の境遇を重ねてしまい、ちょっと申し訳ないやらそれだけで息苦しいやら。

展開としてはまぁとにかくベタな作品だけれど、特筆すべきはボクシングのシーン。

もうとんでもない迫力で、とにかくこれだけでもスクリーンで観る価値がある。

それに対して人間ドラマとしては描き込みが若干薄く、これだけの俳優を揃えておきながら勿体無いと思った。

横浜流星や橋本環奈といった若手も健闘していたから、彼らのパートだけでも。

瀬々敬久さんは、映画作家であると同時に、映画職人でもある。

おそらく原作と対峙した際に、これは2時間の映画では収まらないであろうから、せめてボクシングにフォーカスしてみよう、そこで成果を出そう、などと、何らかの割り切りがあったのだと思う。勝手な推測。

それはもちろんメジャー配給の映画監督として正しい姿勢だし、実際誰の鑑賞にも耐えうる、良作となっている。

でもどうせなら、瀬々監督と、この沢木耕太郎さん原作で、人間もっと掘り下げて4時間くらいでがっつりやってほしかったな、「菊とギロチン」みたいに、もっとアナーキーなものを渇望してしまう。

お金もビジネスもあるし、それはこの時代に贅沢なのかな。

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せっかくムビチケをもらったので、長めに感想を書きました。