The workers are goin’ home

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Book

土曜日

夕方にはボロボロになっている。気力体力がどんどん落ちている。 樋口有介 「ぼくと、ぼくらの夏 (創元推理文庫)」読了。 時代を切り取りながらも、普遍的な空気感、とてもいい。三多摩の光景が、鮮やかに浮かびあがってくる。 樋口有介さんはちゃんと読んで…

水曜日

コインランドリーに行く。 松井今朝子「吉原手引草」(幻冬舎文庫)。 杉江松恋さんが、「木挽町のあだ討ち」は、本書と構成が似ている、と指摘していたので興味を持って読む。 …なるほど、確かに似ている、というか、いろんなことがほぼ同じ。 こちらは、一…

月曜日

最近読んだ本のメモ。 國友公司「ルポ歌舞伎町」彩図社。 ルポ歌舞伎町 作者:國友公司 彩図社 Amazon 全体に漂う作者の目線が気になりつつも、文章は読みやすく、興味深いエピソードも多い。あっという間に読了。 歌舞伎町、昔の感覚で、土地勘は残っている…

土曜日

家でぼんやりする。 古泉 迦十「火蛾」(講談社文庫) を読了。 ノベルスが出たときすぐに読んで、界隈では評判になっていたけど、個人的にはピンとこなかった記憶。 ということは、23年ぶりに読み返した、ということになる。 馴染みのないイスラム世界や神秘…

木曜日

高野史緒「グラーフ・ツェッペリン あの夏の飛行船 (ハヤカワ文庫JA)」読了。 量子力学、メタバースなど、がっつりSF的な要素を交えつつ、青春小説として、とても完成度が高い。 特に2人の視点が徐々に交わっていくあたりの描写の技巧に痺れた。 グラーフ・…

月曜日

泡坂妻夫「蔭桔梗」(創元推理文庫)読了。 表向き、恋愛小説となっているけどどの短編(掌編)も、ミステリのように丁寧に技巧が凝らされている。 そして何より昭和の東京の風景がそこにいるかのように立ち上る描写がとにかく美しい。 レベルが違う。惚れ惚…

土曜日の夜

「仮題・中学殺人事件【新装版】 (創元推理文庫) 」辻真先 を、昨日のライブ前に読了。 さすがに50年以上前の娯楽小説なので、価値観など相当の年季を感じさせるけど、筆は軽く、詰め込んでいるネタは、実に濃い。 見事としか言いようがない。 昔、朝日ソノ…

火曜日の本

永井紗耶子「木挽町のあだ討ち」(新潮社)読了。 読まなくとも、書籍発売時点でその期の直木賞受賞作がわかるという、何の得もない能力は、時代小説ではなかなか発揮されない。 若いころあまり時代小説読んでいなかったからというだけだけど。 ただこの作品…

月曜日

愛川晶「落語刑事サダキチ 神楽坂の赤犬」(中央公論新社)を読了。 落語の説明は丁寧だし、ミステリとしてもきれい。刑事2人のキャラクターも、話がすすむにつれ愛着が沸く。 安定感あって、こういう作品は好き。 愛川さんといえば長年第一線で書き続けて…

火曜日の夕方

岩波文庫、中上健次短編集、やっと読み切る。 すごいな。 グロテスクなまでの情念と情熱、暴力性、性描写。そうでもして生き続けることへの羞恥心。 解説も詳細で、なるほど、とうなずきながら一篇一篇を味わう。 中上健次短篇集 (岩波文庫 緑 230-1) 作者:…

日曜日

6月25日日曜日。 日比谷公園の地下にある喫茶店で、アイスティーをぬるぬる飲みながら、待つ。 岩波から出ていた中上健次短編集を少し読む。 「十九歳の地図」。 この短編を自分は過去に読んでいただろうか。覚えていない。 読んでいたとしても、十代の頃だ…

木曜日

どうしても太田光さんのサイン本が欲しくて(もう本は集めないつもりだったのに)、都内に出る。 情報が少なめでダメもとだったが、タッチの差で無事入手。 笑って人類! (幻冬舎単行本) 作者:太田光 幻冬舎 Amazon 春休みに入ったのか、平日なのにものすご…

日曜日

食事のため外に出るが、異様に眠くなり、食べてすぐ帰る。 日曜日になるとぐっと疲れるのがリズムになっているよう。爆笑問題の日曜サンデー聴きながら横になる。 ちばてつや「追想短編集」、生島治郎「浪漫疾風録」を立て続けに読む。 異様に熱のあった時代…

日曜の夜

久しぶりに本読むか、と、昨日買った、貫井徳郎の「神のふたつの貌」。文春文庫。新装版が出ていたので、いいタイミング、と。 神のふたつの貌 (文春文庫 ぬ 1-9) 作者:貫井 徳郎 発売日: 2021/04/06 メディア: 文庫 貫井さんの特徴でもある「生硬」な熟語の…

月曜日

今週の業務タスクを整理する。 土曜日、伊坂幸太郎の小説を久しぶりに読了。 「バイバイ、ブラックバード」。双葉社。 気の利いたセリフ、卓越したキャラクター造形、構成の妙。 恋愛小説としても、ファンタジーとしても、超一級品。 バイバイ、ブラックバー…

水曜日

勢いで本を読む。 赤松利一「藻屑蟹」。泥臭い文章、経験に裏打ちされた人生観、新しい視点の提供。 自分はこのままではいけない、と思いながら、ずるずると流されてしまう。 どこまでがフィクションなのか、どこからが現実なのか。闇が深すぎて、くらくらし…

火曜日

仕事して、本を読む。 法月綸太郎「誰彼」。新装版が出たので、読む。 最初に読んだのは、おそらく高校生の頃。 「密閉教室」に思い入れが強すぎて、この作品のインパクトとか凄みを忘れていた。 無邪気に論理を展開する、名探偵法月綸太郎の姿。考えてみれ…

月曜日

普段より早く目覚める。 テレワーク。夕方くらいからちょっとばたばたする。 講談社文庫で新版(完成版)が出た、折原一「倒錯のロンド」を一気読み。 あまりの面白さと捻りっぷり。 初読時(多分25年くらい前)は、あまりピンと来なかった記憶なのだけど、…

月曜日

本を読む。 宇佐美りん「推し、燃ゆ」。 扱っている題材や主人公の振る舞いはとても現代的なのに、地に足の着いた描写や人間の重みをえぐるような内容は、20代の新人とは思えない。 恋愛とか、性愛とかの概念はどんどん更新され、こういうテーマが今後の日本…

水曜日

朝イチで医者に行く。レキソタンを一旦止めてみることになる。レキソタン。12年は飲んできたのではないか。多いときは4錠とかだったのに。なんとかこの調子でいきたい。 医者も薬局も空いていたので、思っていたより時間があり、神保町を軽く回る。 東京堂に…

土曜日

朝からグランベリーパークに向かう。10時にフードコートの海鮮丼を頬張り、109シネマズで「泣く子はいねぇが」を鑑賞。 非常に丁寧に考えて作っていて、好感を持つ。しかし仲野太賀演じる主人公、これただのストーカーだよね、としか思えず、そのまま突き進…

金曜日

映画を観た勢いで、読んだ。 一言一言考え抜かれた言葉が選ばれていて、それぞれに又吉直樹の人間観が浮かんでくる。 恋愛小説としても、文学作品としても、とても純度の高い、素晴らしい作品。 劇場(新潮文庫) 作者:又吉直樹 発売日: 2020/02/14 メディア…

金曜日

両名のサイン本売ってたので買った。 絵本。とても優しい絵と、順番も言葉も選ばれた言葉がならんでいた。 ここは 作者:最果タヒ 発売日: 2020/06/25 メディア: 単行本

火曜日

柚月裕子「孤狼の血」。かねてより読みたかった1冊。角川文庫版。 娯楽小説として、かなり極限までの完成度。 組織関係複雑、と登場人物がやや多いのだけど、視点はかなり一貫していて、混乱することもない。これは相当の技術。 終盤けっこうびっくりする展…

火曜日

ボーナスはなんとか出る模様。 昨晩なんとなく手に取ったら、止まらなくなった。 頼子のために。初読のときは高校生だった(はず)。発表は90年か。 ホコ天とかさらっとでてきて、年代を感じるが、話の筋とか、内容は、少しも褪せていない。 これ、25歳で書…

火曜日

途中まで読んでいたが、後半数編未読だった。残りを読み切る。 後半の作品は思春期の性を丁寧にすくいあげた優しい作品がいくつか。 ラストの「孵化」は、なんか自分のこと振り返って、他人事ではない。ファンタジーではない、と、ハッとする作品。 変幻自在…

月曜日

この作者の1冊目にいいかはわからない。 ものすごく軽妙に、まるで2時間ドラマのように1編ずつテンポ良く展開するが、各編数ページでキャラクターを立てる技といい、こっそりと凝った構成といい、ただものではない感じが漂う。 合理的にあり得ない 上水流涼…

月曜日

我孫子武丸氏の作品を久しぶりに読む。 冒頭からなんとも胸くそ悪く、あーでもそこぼやかすなんてなんかあるね、と思いつつ、実際なんかある。さらりと光らせた技巧はさすが。 ベテランならでは。 修羅の家 作者:我孫子武丸 発売日: 2020/04/14 メディア: Ki…

カミサマ

ふーん映画になるのかいかにも若者向けのキャストで。紀伊國屋にサイン本あったので手に取る。 小説の神様 (講談社タイガ) 作者:相沢沙呼 発売日: 2016/06/21 メディア: Kindle版 相沢沙呼「小説の神様」。 あっという間に読了。 最新作はヒットしているけど…

日曜日

中途覚醒が多い。よろしくない傾向。 クリーニングを出しに行く。 いろんなライブが中止または延期で、払い戻しになったので、発券したコンビニを巡る(知らなかったのだが、ぴあとeplusは発券店にいかないといけない)。勢い余って有楽町まで行く。 家に戻…